夜の庭を設計する。
庭を見るのは、昼だけではありません。夜、窓の外が真っ暗だと、ガラスは部屋を映す鏡になります。明るくするのではなく、暗さを残して灯りを置く、夜の庭の考え方について。

平日、家にいるのは、夜のほうが長い。そういう方は多いはずです。
それなのに、庭は昼の姿で考えられがちです。日が沈むと、庭は窓の外から消えてしまいます。
夜の窓は、鏡になる
部屋が明るく、外が暗いと、窓ガラスには部屋の中が映ります。カーテンを開けていても、見えるのは自分の部屋です。
庭に灯りがひとつあると、ガラスの向こうに景色が戻ります。窓が、鏡から窓に戻ります。
照らすのは、足元と一本
夜の庭は、明るくすればいいわけではありません。全体を照らすと、昼の庭をそのまま暗くしたような景色になります。
照らすのは、二つだけ。歩くところの足元と、見せたい木を一本。
あとは、暗いままにしておきます。暗いところがあるから、灯りのあるところが景色になります。
灯りは見せず、光だけを見せる
灯りそのものが目に入ると、まぶしさのほうが残ります。
器具は、木の根元や植え込みの陰に置きます。見えるのは、下から照らされた葉の裏と、壁に落ちる枝の影です。
今夜、懐中電灯を持って庭に出てみてください。木の根元から、上に向けて照らします。昼には見えなかった木の形が、そこにあります。