目隠しは「隠す」ためだけではない。
外からの視線が気になると、高く囲いたくなります。けれど、囲うほど、庭は暗く、狭くなります。目隠しを、隠す壁ではなく、居場所の背景として考える見方について。

視線が気になるとき、まず思いつくのは、高く囲うことです。
たしかに、見えなくなります。同時に、光と風も入りにくくなります。庭は暗く、狭く感じられ、せっかくの外が、外でなくなっていきます。
全部は、隠さなくていい
気になる視線は、たいてい、決まった方向から来ます。道路を歩く人。隣の家の窓。
立っている人の目の高さではなく、庭や部屋で座ったときの目の高さで考えると、必要な高さは、思ったより低くなります。
隠すのは、その方向の、その高さだけ。ほかは、開けておけます。
目隠しは、背景になる
板塀や生垣は、視線を止めるだけのものではありません。
手前に木を一本置くと、その木の背景になります。椅子を置くと、背中を預けられる壁になります。
背景ができると、そこは、通り過ぎる場所から、居る場所に変わります。
やわらかく、さえぎる
すき間のある板塀は、視線を止めて、風と光を通します。木の枝葉は、向こうを見えにくくしながら、季節を見せてくれます。
しっかりさえぎるものと、やわらかくさえぎるもの。組み合わせると、囲われているのに、閉じていない場所ができます。
いつも座る場所に座って、外からの視線が届くところを探してみてください。隠したいのは、その一か所だけかもしれません。